聞ける話せるマイクのいらないイヤホンマイク

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技術情報

ヒトは耳でも話せる

ヒトは、耳でしか音声を捉えることができません。したがって、受信電気信号を音の振動に変換するトランスデューサー(変換器)であるイヤホンは、必然的に耳元に配置されることになります。

一方、ヒトの発声はどうでしょうか。 音声を発するとき、ヒトは声帯、咽喉など複数の器官を振動させてます。
そのため現在ヒトの声を捉え、電気信号に変換するマイクは口元に配置されていますが、 主に口と鼻から発せられるその音声は、微弱ながら“耳からも出ている”のです。

話すとき、耳からも音が出ている!?

ヒトは耳でも話せるのです。マイクロエムズは、このことに着目しました。“耳で話す”ことができれば、わずらわしいマイクを口元に置く必要はありません。「スピーカーとマイク、両方の機能を兼ね備えたイヤホンマイク」があれば、それだけで会話できるはずです。
そのために必要なのが、電気信号と音声振動を相互に変換する「単一の変換器(シングル・トランスデューサー)」でした。

シングル・トランスデューサー技術とは?

私たちマイクロエムズは、“耳で話す”という新発想のイヤホンマイクを開発するにあたり、糸電話のアナロジーに着目しました。糸電話は、空気振動を糸の振動に変換する「マイクの機能」と、糸の振動を空気振動に変換する「スピーカーの機能」を、ひとつの紙コップで実現しています。この原理と同様に「一枚の振動板でマイクとスピーカーの機能を実現できないか」と試行錯誤を重ねて生まれたのが、シングル・トランスデューサー技術。この技術により、電気信号と音声振動(空気振動)を相互に変換する単一の変換器が完成したのです。

鼓膜の振動をキャッチする2つの技術

原理はとても単純なように思われるでしょうが、この技術を実現するには多くの課題をクリアしなければなりません。鼓膜の振動による空気振動は非常に微弱だからです。「マイクとして受信する微弱信号をどのように処理し、実用化するか」「スピーカーとマイク、それぞれの機能を両立させるためにはどうすればいいか」といった課題を克服するための技術開発が求められました。

私たちマイクロエムズは、これらの課題を克服する技術として「半二重方式(Half Duplex)」「全二重方式(Full Duplex)」と呼ばれる2つの方式の“シングル・トランスデューサーによるヘッドセット技術”を開発しました。

半二重方式 Single Transducer Half Duplex

通常の無線機は単一の電波を使用するため、同時に送受信できません。どちらかがPTTスイッチ(Push To Talk)で送信を開始すると、相手側は受信のみとなります。このような通信形態に利用できるのが、「半二重方式 Single Transducer Half Duplex(STHD方式)」と私たちが呼称する“耳で話す技術”です。
STHD方式の場合、スピーカーとして動作させる受信信号はそのままトランスデューサーに入力されます。一方、マイクとして動作させる場合は、トランスデューサーで受け取る鼓膜振動の微弱信号を信号処理回路によってマイク信号に適合した信号に変換。マイク用の信号処理部はPTTスイッチと連動して動作します。構成回路が小規模であるため、従来のマイク電源によって信号処理が可能です。

全二重方式 Single Transducer Full Duplex

携帯電話などのような双方向同時通話を実現するには、単一のトランスデューサーがスピーカー機能とマイク機能を同時に実現しなければなりません。私たちはこの技術を「全二重方式 Single Transducer Full Duplex(STFD方式)」と呼んでいます。そしてこの技術こそ、マイクロエムズの所有する究極の技術です。
スピーカー信号でトランスデューサーを駆動しながら、鼓膜からの微弱な空気振動による電気信号をマイク信号に変換。マイクロエムズでは、最新のDSP(Digital Signal Processor)を使用し、受信信号の駆動と、混合信号の分離によるマイク信号の生成の同時処理を実現しました。

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